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Bar Blue Santa Cocktails

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マティーニ、マンハッタン、サイド・カー...etc 
耳にしたことはあっても、きちんと味わったことがあるだろうか?
自分が口にしたカクテルは、本物と言えるだろうか?
作り手によって、同じ名のカクテルも全くの別物になりうる。
本物と言えるカクテルを探しに行こうではありませんか...

2006/03/11 カクテルの王様 【マティーニ】

記念すべき初回は・・・やっぱり『マティーニ』にするしかあるまい。

カクテルは“マティーニに始まり、マティーニに終わる”と言われる。マティーニほど数々の逸話に彩られたカクテルはほかにない。「カクテルの中の傑作」「カクテルの王様」と称され、何千種類あるかしれないカクテルの頂点に君臨しつづけている。戦前戦後を通じて、バーの客が注文することがいちばん多いカクテルでもある。

「パーフェクト・マティーニ・ブック」という本には200種以上の処方が紹介されており、ジンとヴェルモットだけのシンプルなつくりだけにバリエーションも多い。
映画『7年目の浮気』ではマリリン・モンローが、『007』ではジェームス・ボンドが好んで飲んだカクテルである。

また、マティーニは今世紀の社会政治的重大事件の比喩としての役割も担ってきた。
ジミーカーターアメリカ前大統領が再選に失敗した原因は、選挙運動中に「スリーマティニーランチ」(マティーニを3杯飲むような企業管理職などの豪華な昼食のこと)を否定し、あからさまに階級闘争に言及したことにあるとさえ言われている。

マティーニの原型は、1850年頃にヨーロッパで飲まれるようになったジン&イット(GIN&IT)だといわれる。
常温のジンに常温のヴェルモットを1対1の割合で注ぎ、ステアしてできあがる。
イットはITALIANのIT。イタリアン・ヴェルモットを注ぐので、ちょっと甘口のカクテルになり、現在のマティーニとは全く違う味だ。現在では冷たいマティーニが主流だが、当時は製氷機発明以前だったので、常温の、しかもスイートなやわらかいカクテルだった。

マティーニの歴史は、ドライになっていく歴史だったと言える。
ドライ化には二つあり、まず一つはヴェルモットのドライ化。ジン&イットで使われた甘口のイタリアン・ヴェルモットがやがて辛口のフレンチに変わっていく。そしてもう一つは、ジンとヴェルモットの比率。ヴェルモットが少なくなり、どんどんジンに傾いていくのである。

ヴェルモットは、白ワインにニガヨモギをはじめ15〜40種ものハーブを配合、さらにスピリッツを加えてつくるフレーバード・ワインの一種。概してイタリアン・ヴェルモットは甘口で、フレンチは辛口である。
マティーニは、当初ジンとヴェルモットの比率が3対1だったのが、5対1から10対1へとどんどん辛口になっていった。ヘミングウェイにいたっては15対1のものを好んだとか。かのチャーチルは、ドライベルモットの瓶を眺めながらジンのストレートを飲んでいたそうである。(それって、だだのジンストじゃあ!? などと言わないように!)

最近では、ボトルごと冷凍庫で冷やしたジンと、冷蔵庫に入れたヴェルモットを使うバーテンダーも多いようだが、切れ味をとるならば当然キンキンに冷やしたものがいい。
しかし、それでは少々味気なさを感じるのである。
バーテンダーの技術を見せるなら、材料は冷やさずに作りたい。(小生が未熟者故)

常温のジンとヴェルモットを氷を入れたミキシング・グラスでステアしたマティーニは全然違う顔を見せる。ステアして材料が冷えてくると、なんとも言えないトップノーズが香ってくる。パースプーンは徐々に重くなる。マティーニが粘り気を帯びてきたかのように・・・

冷やさないボトルから生まれるマティーニは、ヴェルモットのやわらかい香りが嗅覚をくすぐり、ジンの甘みが舌にじんわり染渡り、味覚を目覚めさせてくれるのである。

そんな魅惑的なカクテルだから「マティーニ」と口に出して言うときの、客の意気込みは他のカクテルの場合とまるで違う。だから、いつも以上に真剣につくらなくてはならない!とバーテンダー達も気合いが入る。

マティーニはカクテルの中のカクテルであると、バーテンダー自身も客も信じているのだ。バーテンダーにとってもカクテルは“マティーニに始まり、マティーニに終わる”のである。

永遠に修行の終わることの無いカクテルである。





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